麻とは、リネン・ラミー・ジュート・ヘンプといった植物の茎から作られる繊維の総称です。それぞれの植物によって特徴や質感も異なります。
人類最古の繊維ともいわれ、化学繊維には出せない独特の風合いがあり、現在も多くの人から愛され続けている天然素材です。
風合いや質感が注目されがちな麻カーテンですが、魅力はそれだけではないんです。今回は麻カーテンの魅力について迫ります。
麻は植物の茎から作られているため、繊維の断面に中空孔があります。そこから水分を吸いこんだり、はきだしたりするのでお部屋の湿気を調整してくれます。さらに速乾性もあるから手触りはいつもサラサラです。
雨の多い梅雨の時期などにも湿度調整として活躍、不快感を軽減します。
雨の日に湿気が集まりやすい北向きのお部屋で、「カーテンなしの部屋」から「麻カーテンを吊るした部屋」で湿度がどう変わるのかを検証しました。
雨の日にお部屋の湿度を測定
使用カーテン|AsaFine ごま豆腐
一般的に適切な湿度は40~60%と言われており、カーテンなしの場合は適切な湿度を超え63%まで上がってしまい、体感でも少し蒸し暑さを感じました。麻カーテンを吊るして1時間経過をみると5%湿度が減っており、適切な湿度の範囲になっていました。麻カーテンを使用すると、お部屋を過ごしやすくする手助けになるかもしれませんね。
また、麻は水分・湿気を吸った分だけ膨張し、そこから乾燥するとギュッと縮んでより丈夫な生地(繊維)になります。丈夫な生地になるからこそ、長い間ご使用がいただけるんです。
ただし注意も必要です。上記の性質から湿度やお天気によって生地が1~3%程伸び縮みする可能性があります。これは洗濯でも同様で、無垢に近い麻の生地であればあるほど、さらに伸び縮みは大きくなります(洗濯実験ぺージ)。その点だけ注意していただければ丈夫で長くお使いいただけます。
麻生地は天然素材がゆえに繊維が均一な太さではありません。さらにザックリと織ることで、独特の風合い・味を出しています。
そのため麻カーテンには透け感があり、お部屋に吊っても圧迫感を与えません。
この透け感がお部屋に優しい光を取り込んでくれるのです。
麻カーテンには光を遮ってしまう遮光カーテンではなかなか出せない、カーテンの柔らかさ・美しさを楽しむことができます。
実際に麻カーテンの「お部屋からの見え方」「外からの見え方」を撮影しました。
日中の麻カーテンの見え方
麻カーテンは単体での使用では、部屋の中からは少し外の景色が分かります。この透け感や光の入り具合が圧迫感のないお部屋づくりにはぴったりです。一方、外から見ると意外にもお部屋の中は分かりにくい印象でした。
使用カーテン|AsaFine ごま豆腐
※午前11時頃 南向きの窓で撮影
透けにくいレースカーテンとの併用
どうしても透け感が気になる方には、透けにくいレースカーテンと併用することがおすすめです。機能性の高いレースカーテンと併用することで、麻の持つ風合いや雰囲気を楽しみながら安心してご使用いただけます。
使用カーテン|K-wave-L-high guard voile ホワイト
※午前11時30分頃 南向きの窓で撮影
一般的なカーテンで使われているポリエステル生地は帯電しやすいため、静電気が発生しホコリが付くことがあります。
一方、麻生地は静電気が起きにくい分、ホコリが付きづらいのです。
実際に「麻生地」と「ポリエステル生地」で静電気の発生に違いがあるのか検証してみました。
こすったポリエステルの生地をティッシュに近付けるとしっかり静電気で引き寄せられたことが分かりました。冬場の乾燥する時期などにポリエステル生地のカーテンは、開閉・自然なすれでも検証のように静電気を発生させ、お部屋にあるホコリなどを引き寄せてしまう可能性があるのです。
一方、同じだけこすった麻生地をティッシュに近付けてもティッシュが引き寄せられることはありませんでした。
この結果から、麻には静電気が起きにくいことが検証できました。
麻は非常に通気性に優れており、お部屋の空気を滞留させにくいため、カーテンを閉じていても吸換気し続けています。
また麻には速乾性もあるため、通気性とあいまって抗菌・防臭効果も期待でき、衛生的にも安心な素材なんです。
麻の中でも、リネンにはそのもの自体に抗菌作用があるとされています。
お気に入りのカーテンが環境にも優しければ、さらに嬉しいですよね。麻は、持続可能な環境づくりにぴったりな素材なんです。
麻はぐんぐん成長するため、光合成が盛んな植物としても知られています。二酸化炭素の吸収率は一般的な木より3倍以上とも言われています。
また、麻に使われる植物は、繊維から根まで全てを活用できるため、捨てる部分はほぼありません。雨と光があれば水やりもほとんど必要ないのです。
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実際に手に取って、その魅力をお確かめください