住まいの色彩計画(2)
住まいの色彩演出を考えていく中で、自分らしさを一層引き出してくれるカラーコーディネートはとても大切な要素です。
色彩バランスのとれた美しいインテリアは、そこに暮らす人の思考や生ききたそもそもを映し出しています。
インテリアにおける色の効果は大きく、住む人にとって機能的でありながらより快適で個性を表現できる空間づくりをするためには、色の調和によって心地よく感じられるカラーコーディネートが大切です
高齢者の部屋づくり
高齢者に配慮した空間づくりは、部屋全体を落ち着いた色調でまとめることが望ましく、加齢による視覚の黄変化など、
色の見え方の変化を考慮した色彩計画が求められます。
特に段差などの注意を促したい部分には、色差をはっきりさせた識別しやすい色を使い、アクセントカラーを効果的に
使うなど、色の認識力低下にも配慮が必要です。
色彩が持つ心理的効果に配慮したワンランク上の色の手法
ベージュ系などの淡色使いは、高齢者には、その色の変化が見えにくくなるため、目にとまりやすい鮮やかな色をポイントにおくなど、識別しやすく身体的な補助となる色使いに注意すると良いでしょう。
たとえば、落ち着いた茶系の空間にも少し彩度の高いブルーをアクセントカラーに配すると、その晴れ晴れとした色調から若々しくモダンな雰囲気が生まれます。
色の心理的効果からも、明るい色に導かれて晴れやかな気持ちを持つことができるかもしれません。
大切な毎日の生活のなかに生活がより明るく楽しいものになっていく、そして何より安心して生活できる環境づくりに配慮することが大切です。
子供たちのための部屋づくり
子供の成長に合わせて可変性のある計画が望まれる子供部屋は、年齢に応じそれに適した色使いの手法で、幼い時期
から自然に色が目にはいるような環境つくりをしてあげたいものです。
ベビー用品には、明度が高く柔らかい色の淡色系がよく使われていますが、色調の違うビビッドな色合いも取り入れて、
できるだけたくさんの色を見せてあげると幅広い色彩感覚が養われるといわれています。
人が本能的に求める人にやさしい自然色グリーンの手法
寝室・子供部屋などプライベートな空間は、好みの色を積極的に使いやすいので、個性的な色調を取り入れやすいスペースです。
成長の活発な時期には比較的彩度の高い色を少し多めに使い、集中力を高めたい時期にはグリーン、ブルー系を取り入れる手法が効果的です。
鎮静効果のあるグリーンは人を穏やかにし、素直な性格を育んでくれる色といわれています。
また、人の見える可視光線のなかでもちょうど真ん中に位置するので、中間色としてバランスのよい色であり、子供らしい優しさや若々しく爽やかな印象を表現するのに最適です。